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シリーズ「歯と身体(からだ)」

〜歯科医が治す全身症状〜

第一回「寝たきり・痴呆」とその予防法

現在の日本は先進国の中でも類を見ない急激なスピードで高齢化社会を迎えております。
 「寝たきり・痴呆」の高齢者は増加の一途を辿り、2001年現在国の介護サービスを受けている人は約200万人いると言われており、大きな社会問題となっております。
 高齢者に対する介護サービスもさまざまな形態で開始されてはいますが、特に在宅介護をされている家族の方にとっての精神的・肉体的・経済的・時間的負担は計り知れないものがあります。せめて自分の身の回りの事(風呂、トイレ、散歩、簡単な家事)ができるようになれば、介護されている方はずいぶん楽になるでしょう。
 このページを最後までお読みいただければ、寝たきりの人が立ち・歩き・痴呆の人も簡単な会話程度ならできるようになる可能性があることを理解していただけると思います。

 そもそも、なぜ人は「寝たきり」になるのでしょうか?普通、人間は死亡する約1週間ぐらい前に寝たきりになり、寿命を迎えるそうです。しかし、事故やケガがきっかけになったり、心臓病や脳血管疾患により手足が不自由になったりと、人によってその理由はさまざまです。
 しかし、現在、寝たきりの方の約半数以上が、特定の原因がなく、「老化」という理由で寝たきりになっています。本当に「老化」という理由だけで寝たきりになってしまうのでしょうか?中には90歳を過ぎても元気いっぱいに社会生活を営んでいる人たちもたくさんいます。このような人たちは「老化」していないのでしょうか?
 もちろん、寝たきりの人とそうでない人の違いはたくさんあります。遺伝的要因・生まれ育った環境・栄養状態・生まれつきの身体の強弱・食事の内容・持病の有無・住んでいる場所の環境・従事した仕事の内容・健康に対する知識・考え方・・・。挙げればキリがありません。
 しかし、これらも当てはまらない人たちもいるのも事実です。環境の良い場所で生まれ育ち、自然食中心のバランスの良い食事を中心に採り、農業に従事して体を使い、水と空気のきれいな場所に住み、今まで病気ひとつしなかった人が、60代後半という若さで体調を崩し、寝たきりなった人もいます。一方、決して良いとは言えない環境で生まれ育ち、栄養状態も充分でなく、空気の悪い都会に住み、対して体を動かさない仕事をし、すぐ風邪を引くような病弱な人が80歳近くなっても大きな病気をせず、健康で長生きしている人もいます。

 それでは一体、寝たきりの人とそうでない人の決定的な違いは何なのでしょうか?実はここで、「歯」と「噛み合わせ」が大きく関与しているのです。

 以前、NHKの特番「噛めない・話せない・笑えない入れ歯の話」(1992年1月29日放映)で、寝たきりだった老人が入れ歯によって食欲が増し、歩けるまでに回復した、という内容が放送されたことがあり、大変な反響がありました。しかし、当時は「なぜ入れ歯を入れたら寝たきりが回復したのか」よくわからないまま、さらにこのような「生体適合性の高い」入れ歯の製作・調整のノウハウが何もなかったため、「あれは偶然、幻だったのか・・・」と、忘れ去られてしまいました。
 しかし、現在では、さまざまな研究が進み、まだ発展途上ではありますが、歯のない人には入れ歯を入れ、歯のある人は正しい噛み合わせに調整することによって「寝たきり・痴呆」の症状がある程度軽減することが実際の医療の現場から証明されてきています。

 では、なぜ、一見何の関係もない「歯」と「噛み合わせ」が、「寝たきり・痴呆」を改善するのでしょうか?

 人間の下顎(あご)の周囲には、この下顎(あご)を動かすための筋肉が10種類近くも存在し、互いに協調することにより下顎(あご)を前後・左右・上下という3次元的な動きを可能にしています。そして、上下の「歯」が噛み合うことにより、下顎(あご)の位置が決定され、その位置でこれらの筋肉群が最もリラックスできる状態にあれば理想的といえます。
 しかし、歯が1本でも欠けていたり、歯が全部揃っていても噛み合わせや歯並びがズレていればこれらの筋肉群は無理な位置に引っ張られたり、強い力が加わったりして萎縮・緊張してしまいます。
 この下顎(あご)を動かす筋肉群は、下顎(あご)から肩、首、頭部(主に側頭部)まで幅広く分布しており、これらの筋肉群の中には、脳から出て心臓に戻る血管が流れる静脈がたくさん走行しています。筋肉が萎縮・緊張することによって、これらの血管が押し潰され、脳からの血液循環が悪くなります。すると、次第に脳への動脈血の血流も悪くなってきます。
 体の中枢である脳への血流量が減少してくれば、さまざまな障害が発症し、脳細胞の死滅するスピードも加速し、やがて「寝たきり・痴呆」を発症するようになります。
 余談ですが、脳への血液循環が悪くなれば、心臓は脳に充分な血液を送り届けようとするため、血圧を上げます。これが、「原因不明の高血圧の原因」であることが多く、何年も血圧降下材を服用されている方は、当院にて歯と噛み合わせの治療をされることをお勧めします。降圧剤を長期服用していると、脳に充分な血液が供給されないため、将来、脳軟化症や寝たきり・痴呆になる確率が高くなる可能性があります。
 こうして、歯のない人にはその人に合った生体適合性の高い入れ歯を作り、歯がある人には噛み合わせを調整することによって下顎(あご)が正しい位置に収まり、それを動かす筋肉群もリラックスし、押し潰された血管がもとに戻り、脳への血流が回復し、脳から全身への指令が正しく行なわれるようになり、衰弱していなければ手足もある程度動くようになり、リハビリ次第で歩けるようになる場合もあります。寝たきりになって数年以内、または軽度の痴呆であればある程度の効果は期待できます。
 しかしただ単に入れ歯を作っても、やみくもに噛み合わせを調整しても良い結果は望めません。その人に合った、生体適合性の高い材質、大きさ、厚さ、高さの入れ歯を完全オーダーメイドで作る技術とテクニックを持った歯科医師が治療を行なわなければ意味がありません。入れ歯の高さや噛み合わせはもちろん、ピンク色の歯ぐきの部分の厚さや大きさがたった数ミリ違うだけでも歴然と結果に差が出る場合があります。
 尚、この歯科治療による「寝たきり・痴呆」の改善率は、かなり改善した人は約22%、やや改善した人は約38%、あまり改善しない・または変化なしが約40%、悪化した人は0%です。この数値をみても、適切な歯の治療を受ければ、「寝たきりの人の5人に1人は歩けるようになる」と思われ、全体でも10人中6人は何らかの良い変化が起こる可能性があります。

 また、これを応用し、「寝たきり・痴呆予防」の治療もある程度は可能になります。現在は健康だが、将来に不安がある方は、「寝たきり・痴呆予防のための歯科治療」を当院にて受けることをお勧めします。「寝たきり・痴呆予防」だけでなく、「歯」が原因で起こる全身のあらゆる病気や症状を「歯の治療」によって改善できる可能性があります。

 詳しくは、当ホームページの「診療内容」、「治療実績」のコーナーを御覧下さい。

第2回 「皮膚病」

 今回は「皮膚病」、主にアトピー性皮膚炎や掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などの難治性の皮膚病について話を進めていきたいと思います。

 「アトピー」を日本語に訳すと、「奇妙な」とか「不思議な」などという意味になるそうです。お医者さんから「アトピーですね」と告げられる、イコール「不思議ですね」と言われているのと同じなのです。これも、アトピーの原因は1つだけでなく、さまざまな因子が複雑に絡み合っていることが多いため、アトピー患者共通の原因が特定しにくいためだと思われます。
 そのため、専門医による治療法や薬の種類も数多く存在し、いわゆる「アトピーグッズ」も実にたくさんの種類のものが出回っております。

 実は、私自身も昔はアトピーでした。中学1〜2年生ぐらいに発症し、19〜20歳の頃がピークで、その後徐々に良くなり、25〜26歳ぐらいにはすっかり良くなりました。私の場合は比較的軽い症状だったのですが、アトピーを患っている間はいろいろな民間療法を試していました。皮膚科で処方されたステロイド剤は発症から治癒するまでの約13年間ずっと使っていましたし、保湿クリームやサプリメント(栄養剤)、運動療法や食事療法など…。今思えば、アトピーを治すためには、試したすべての方法が私にとって必要だったのではないか、と思います。

 しかし、医師による治療や、さまざまな民間療法を試しても効果のない場合は、「歯」が原因である場合もあります。一見、何の関係もない「歯」と「皮膚病」、一体どんな関連があるのでしょうか?

 1つは、歯に詰めた金属等の素材が身体に合っていない、すなわちアレルギーを起こしている場合です。
 歯に詰めた金属等の素材は、ph値の低い飲食物や唾液の影響により少しずつ溶け出します。また、上下の歯が噛み合うことにより少しずつ磨耗します。こうして目に見えない分子・原子レベルの小さな単位で溶け出した金属等の素材は、口から体内に吸収され、身体中のさまざまな器官や皮膚に蓄積します。こうして皮膚がアレルギーを起こすと、湿疹として皮膚に症状が現れる場合があります。

 もう1つは、噛み合わせのバランスが悪い場合です。下顎(あご)は、身体の中でも最も重い「頭」を、歯の噛み合わせでしっかり支えるという大切な役割があります。歯が抜けたままになっていたり、虫歯で穴があいていたり、抜くべき歯を抜かずに放置していたり、詰め物がとれたままになっていたりするだけでも下顎(あご)はズレを起こします。
 下顎(あご)がズレれば頭は傾き、頭が傾けば首も傾き、首が傾けば背中が曲がり、骨盤がゆがみ、腰や膝にまで負担がかかるようになります。
 こうして全身がゆがめば姿勢が悪くなるばかりではなく、内臓諸器官も圧迫されることにより負担がかかり、病気や外部からの侵襲に対する免疫力が低下します。免疫力や抵抗力が低下すれば、皮膚の弱い方にはその皮膚にアレルギー症状が出現しやすく、アトピー性皮膚炎や掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)を発症してしまう場合もあるそうです。

 以上のように、「何を試しても効果がない」、「何をやっても良くならない」アトピー性皮膚炎やその他の難治性皮膚病の場合は、「歯」が関与している場合もあるのです。
 では、どのようにしてこれらの「歯の治療」を行なうのでしょうか?

 まず、基本的な歯の治療から始めます。虫歯の治療、歯ぐきの治療、歯を入れる治療を行ない、バランスの良い噛み合わせを構築します。そして、最後に噛み合わせ全体の微調整を繰り返し行ないます。
 しかし、ここで最も大切なのは、「アレルギーを起こさない、自分に最も合う素材で歯を治療する」ということです。
 アレルギーを起こしにくい素材といっても、セラミックス系のものや金合金、チタン等さまざまな種類があります。
 金合金は、当院で取り扱っているものだけでも20種類以上もあり、同じ規格の金属でもメーカーによって微妙に成分が違うものもあります。一般に「金はアレルギーを起こしにくい」と言われていますが、金でもアレルギーを起こす人もいますし、金合金の種類によってアレルギーを起こすものと、起こさないものがあるため、どのメーカーのどの種類の金合金が自分に合っているかを調べる必要があります。
 チタンは、インプラント(人工歯根)等にも使われ、最もアレルギーを起こしにくい金属のひとつですが、加工が非常に難しく、価格も高いのが難点です。
 金属全般がダメな人は、セラミックス系や樹脂系の素材を使用することもあります。
 セラミックスは、審美歯科等でも幅広く使用されており、自然な歯の色に仕上げることもでき、アレルギーを起こさないという意味では身体に最も優しい素材です。しかし、これも加工に手間がかかり、価格が高く、歯に接着する際に樹脂系の接着剤を使用するため、次に述べる樹脂系の素材にアレルギーのある方は、使用できない場合があります。
 樹脂系の素材は、色が白く、前歯のちょっとした虫歯治療にも使われますが、意外とアレルギーを起こす人がかなり多く、金属ではないから、といっても安心できません。
 このように、さまざまな素材からアレルギーを起こさない、自分にピッタリ合う素材を選定するのですが、一体どのようにして選定するのでしょうか?

 現在、アレルギーを起こさない素材を選定する方法としては「パッチテスト」が主流です。サンプルとなる素材片や液体を背中に貼り付け、2〜3日後に背中の皮膚の反応をみる方法です。しかし、判定するのが3日後で時間がかかり、その3日間はお風呂やシャワーに入れないのが難点です。
 当院では、筋肉反射を応用したテストにより、その人に最適な、アレルギーを起こさない素材を早く、正確に判定することができます。所要時間は約5〜10分で、被験者の身体に負担もかけません。
 こうして選定した素材を使って歯を治していきます。

 歯を治し、歯が全部揃った状態で、次の「噛み合わせの調整」に入ります。この「噛み合わせの治療」も、大きく分けて3つの方法があります。
 1つ目の方法は、歯並びの矯正治療を応用した方法です。歯を削らずに治療することも可能ですが、治療期間が2〜3年と長く、成人の方の治療にはさらに時間がかかることもあります。この治療法は、どちらかというと成長期のお子様に適した治療法といえます。
 2つ目は、ほとんどの歯を削って被せ、歯並びと噛み合わせを理想的な状態にする方法です。この方法は、咬合再構築(フルマウス・リコンストラクション)と言われ、現在主流の方法です。歯の色や形、歯並び、噛み合わせをすべて理想的な状態にすることができ、審美歯科等でもこの方法が取り入れられています。しかし、当院では、審美歯科御希望の方や、噛み合わせが低いためやむを得ず高さを上げなければならない方に限って、この方法を行なっています。噛み合わせが低く、全体の高さを上げなければならない方は、患者さん全体の1〜2%と非常に少数であり、虫歯でもない無傷の歯を半分近く削らなければ被せられないため、このような治療が必要かどうか慎重に検討しなければなりません。
 3つ目は、極力歯を削らずに、全体の噛み合わせのバランスを調整する方法です。バランスを乱している歯の一部分(ほとんどが尖っている)をほんのわずかに丸め、全体のバランスを整えていきます。歯の噛み合う部分だけでなく、頬粘膜や舌の接する部分や、歯と歯の接触する部分も調整することもあります。この方法で噛み合わせ全体のバランスが整えられれば、咬合再構築(フルマウス・リコンストラクション)のような大がかりな治療をしないで済むこともあります。当院では、主にこの方法で治療を行ないます。

 こうして治療を終了し、身体に合わない成分が排出され、噛み合わせのバランスが整うことにより身体全体の免疫力が向上すれば、弱い皮膚のアトピーやその他の症状が改善される可能性があります。アトピー等の皮膚症状だけでなく、リウマチ等の自己免疫疾患や原因不明の全身症状の改善にも有効という報告もあります。
 アトピーに限れば、すべて改善した人は約44%、半分以上改善した人は約26%、少し改善した人は約22%、改善しない、または変化なしが約8%、悪化した人は0%です。少し改善または変化なしの方にアトピー以外で改善された症状を伺うと、偏頭痛、肩こり、腰痛、生理痛の軽減や、かぜをひきにくくなった、体力に自信がついた、花粉症が軽減した、などの答えがあり、アトピーはあまり改善しなかったが、ほぼ全員の方から「治療を受けて良かった」と感じて頂いております。
 いままで、このような「歯の治療」を受けたことのない方は、当院にて治療を承ります。直接お電話にて御予約ください。
 尚、現在は噛み合わせの安定した年齢(18〜24歳)以上の方を中心に治療しております。小児アトピーの場合は、「歯」以外の原因も多いため、当院では治療を見合わせております。

第3回 「高血圧」


 今回は「高血圧」について、話を進めていきたいと思います。このシリーズの第1回にも少し触れましたが、今回は「高血圧」だけに的を絞ってみたいと思います。

 「高血圧」・・・一体どれぐらいの方がこの症状に悩まされているのでしょうか?ある調査によると、日本全国で約3,000万人、その内約1,000万人の方が降圧剤を服用しているようです。

 「高血圧」は、原因が不明で家族性や遺伝的要因が高頻度に認められる「本態性高血圧」と、原因(疾患)が明らかな「二次性高血圧」に分類されます。そして、その割合は、「本態性高血圧」が約90%、「二次性高血圧」が約10%といわれております。

 「二次性高血圧」であれば、原因となる疾患が明らかのため、その疾患の治療を行なうのが良いと思われますが、問題は「本態性高血圧」です。原因がはっきりしないため、降圧剤の服用や生活(主に食事や運動)指導が治療の中心となっているようです。

 降圧剤の服用や生活習慣の改善が奏功し、血圧が正常値になり、長期的に薬に頼らずに安定すれば良いのですが、中には涙ぐましい努力をしても血圧がなかなか改善しない方もいると聞いております。

 血圧が改善する方としない方、その違いは一体何なのでしょうか?

 実は、ここでも「歯」と「かみ合わせ」は、非常に深く関与しているのです。では、一見何の関係もなさそうな「歯」と「高血圧」、一体どんな関連があるのでしょうか?

 大きく分けて、二つの要因が関与しています。一つは「かみ合わせのバランスが悪い」、そしてもう1つは「歯に詰めた素材(樹脂や銀歯)の成分が身体に合わない(アレルギーを起こしている)」ということです。
 この2つについて、それぞれ説明していきたいと思います。

 先に、「歯に詰めた素材(樹脂や銀歯)の成分が身体に合わない(アレルギーを起こしている)」ということから説明していきます。

 先日も当院で、「高血圧の改善」を目的とした方がおられました。治療を効率的に進めるため、先に「歯科素材アレルギー治療」を行ない、その次に「噛み合わせの調整治療」を行なうこととしました。
 ところが、奥歯の銀歯を何本か、その方の身体に合う素材(このときは確か「金合金」)に変えたところ、血圧がほぼ正常値に近づきました。まだ奥歯には銀歯が残っている状態で、しかも歯を抜いたままの状態(欠損)の部位もありましたが、「高血圧の改善」という目的を達成したので、治療はこれで終了としました。主治医である内科の先生も首を傾げ、降圧剤も飲む回数が激減したようです。その方は大変喜んでおられました。

 この症例では、「かみ合わせの調整」は一切行なっておりません。若干特殊な例かもしれませんが、「歯の詰め物」とはいえ、いかに身体に害を及ぼすか、思い知らされました。しかも、その方は金属をはじめ、食べ物や薬、花粉などのアレルギーは一切なく、銀歯に使われている素材が身体に合っているか調べたところ、「やや合わない」程度でした。もちろん、皮膚にもアレルギー症状(湿疹など)は一切ありません。歯を抜いたまま入れていない(欠損)の部位もあるため、私は、高血圧の原因として「かみ合わせのバランスが悪い」方がウエイトが高いのではないか?と思っておりましたが、その治療に移る前に、「高血圧の改善」という目的を達成できてしまいました・・・。
 結局、この方の高血圧の原因は、「歯の詰め物が身体に合わない」ということでした。しかし、まだ銀歯は口の中に残っています。これも、治療により「全身の抵抗力」が、あわない素材(銀歯)の悪影響を上回ったため、と推察されます。まあ、このような場合は、加齢等の原因で抵抗力が弱くなると再発の恐れもありますが、再発したときに、また治療の続きをすればよいと考えます。これは、当院の治療方針で、「最小限の侵襲で最大限の効果を得る」ことを目的としているためです。

 このように、全身の病的症状改善のため、治療計画を立てて治療を行なっていくのですが、その途中で症状の改善がみられた場合はそこで終了することも珍しくありません。

 話が脱線しましたが、本題に戻ります。なぜ、「歯の詰め物」が血圧に影響を及ぼすのでしょうか?

 口の中は、高温多湿で、しかも飲食物の温度やphの影響、さらに上下の歯が噛みあうといった物理的条件も重なり、「歯の詰め物」は分子・原子レベルの小さな単位で少しずつ溶け出します。口の中で溶け出せば、当然体内に吸収され、全身に様々な不快症状を起こすことが予想されます。そのような状況が、身体には「ストレス」となります。人間は「ストレス」を感じると、無意識(睡眠時など)のうちにそれを解消するため「歯ぎしり」や「食いしばり」をする、と言われております。
 「歯ぎしり・食いしばり」が始まると、顎(あご)や首・肩周囲の筋肉が異常緊張を起こします。筋肉が異常緊張を起こせば、その中を流れる血液が停滞します。特に首周囲の筋肉は、脳から出た静脈血が多く流れているようです。その血流が滞れば血液が脳から出にくくなり、結果として脳に行く動脈血も滞ることが予想されます。
 脳に行く血液が足りなければ、脳及び全身にダメージを受けるため、心臓は本能的に圧力を上げ、脳に血液を供給しようとします。

 これが、「原因不明の高血圧」の原因であることも多いようです。

 そして、「かみ合わせ」も、バランスが悪ければ「ストレス」となり、同じように「歯ぎしり・食いしばり」を起こし、首周囲の血流が滞り、「高血圧」の原因となる場合があるようです。

 「高血圧」だけでなく、全身の様々な不快症状も、意外と「歯」との関連が多いようです。もちろん、「歯」だけが悪いわけではなく、他にも原因はある場合も多いですが、「歯」は全く無関係ともいえません。

 こうしてみると、「歯」は、身体の健康に多大なる影響を及ぼします。「歯」が悪ければ、「健康」など有り得ない、と言っても過言ではありません。

 これをお読み頂いた皆様も、「歯」と「健康」の深い関係を考慮し、治療を受けて頂くと良いと思います。



 
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